<廃潤滑油の再資源化のために>



廃潤滑油の再資源化と環境への影響

潤滑油はご承知のとおり、産業界はもとより一般家庭においても様々なところに用いられ、生活に欠かすことのできない必需品になっています。
潤滑油の原料である原油は99%以上を海外に依存し、資源的にも有限であり、「廃潤滑油」も貴重な資源と言えます。一方、1mLの潤滑油を自然界に捨てると、影響のない程度の状態にするには約百万倍(1000L)の水が必要といわれています。多量に放出されれば動植物等自然環境に与える影響ははかり知れません。
再資源化、環境問題の視点から廃潤滑油の適正な処理方法について考えてみました。

廃潤滑油の処理方法と環境への影響

処理方法 再資源化
評 価
環境問題
評 価
総合評価 メ モ
1 山、埋立地に捨てる × × × 絶対やめましょう
2 側溝、川、海に流す × × × 論外です
3 野焼き × × × 野焼きは禁止されています
4 紙、ウエス等にしみこませ捨てる × 一般ゴミとしては処理できません
5 自社内で焼却(ただ焼却) ×   排熱利用等利用法を考えましょう
6 自社内で焼却(排熱利用)   排ガス対策をしっかり
7 自家燃料にする   焼却灰にも気を配りましょう
8 浄油してまた使う   補給用、差し油に
9 専門業者に出す   適正に許可業者に出しましょう
10 委託再生   お勧めコースのひとつです
評価:◎特に良い ○良い △改善を ×やめましょう

廃潤滑油の処理実態[平成6年度通産省調査]

一般事業所における廃潤滑油の処理実態は約6割が「外部への払出し」であり、残りの殆どは焼却されている状況にあります。次いで多い「自社焼却処分」では、排熱利用等の再資源化を行っているところは半数に過ぎず、更なる有効利用の促進が望まれます。 事業所における廃潤滑油の処理状況

廃潤滑油の現状

日本国内で使用されている潤滑油は年間約240万KL(工業潤滑油は約140万KL)、その内約半分は「廃潤滑油]として排出されていると推定されます。

 

廃潤滑油の有効利用

■事業所内での活用
劣化程度の少ない廃潤滑油は、ろ過、遠心分離といった浄油処理を行い、性状確認のうえ、既存の油に影響のない範囲で補給用、差し油用に再利用しましょう。
劣化の進んだ廃潤滑油は排ガス対策を施し、自家燃料として有効利用しましょう。

■潤滑油への委託再生
まとまって発生した劣化程度の少ない潤滑油(例えば作動油、ギヤー油等)は、再生業者へ委託し再利用しましょう。
■回収業者への払出し
廃潤滑油の処理を外部へ委せる場合は許可業者へ払出しましょう。再利用できるものは燃料油、離型剤等へ再生され、できないものは適正に処分されます。

使用具体例



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