ID-005 ISO粘度分類
 
 潤滑油類の「粘さ」を現す単位として、現在は2種類の規格が広く使用されています。
(1)工業用潤滑油類:ISO粘度分類(ISO VG3、ISO VG32、ISO VG 150 clc)
(2)車両潤滑油類:SAE粘度分類(SAE 30、SAE l0W−30、SAE 80W clc)
 ISO粘度分類は、日本では〔ISO3448−1975〕に準拠するため、1978年6月に「JIS K2001;工業用潤滑油粘度分類」として、制定されました。 それ以前は、潤滑油メーカーが各社各様に《レッドウッドやセイボルト》粘度を含めて用いられていたため、需要家には分かり難くよく粘度のとり間違いのもとになっていました。
 ISO粘度分類は、40℃における潤滑油類の粘度で規定しており、単位は「mm2/s」を採用しています。
粘度グレードは図1のように、「10〜100(mm2/s)」を一つの“ものさし”として、その対数スケールを6等分し、10以下、100以上の粘度分類もこれに倣っており非常に分かりやすくなりました。粘度グレードの範囲は「2〜3,200mm2/s」までとし、20グレードとなっています。
 各粘度は、表示粘度を中心として上下それぞれに「10%」の許容範囲を設けています。従って、全体としては表1に示すような形になります。
 参考までに、ISO粘度への統一過渡期には旧グレードからISO粘度グレードに適応しないグレードがあり、「補助粘度グレード」としてしばらく使用されてきました。現在でも“56番や83番”などが工場の古い管理表などに見られるかも知れませんが、それは当時のなごりです。
 

 
図1 粘度の対数表示による6等分
 
 
表1 工業用潤滑油ISO粘度グレード
ISO粘度グレード番号 中心値の動粘度
mm2/s{cSt}(1)
(40℃)
動粘度範囲
mm2/s{cSt}(1)
(40℃)
ISO VG 2
ISO VG 3
ISO VG 5
ISO VG 7
ISO VG 10
ISO VG 15
ISO VG 22
ISO VG 32
ISO VG 46
ISO VG 68
ISO VG 100
ISO VG 150
ISO VG 220
ISO VG 320
ISO VG 460
ISO VG 680
ISO VG 1,000
ISO VG 1,500
ISO VG 2,200
ISO VG 3,200
2.2
3.2
4.6
6.8
10
15
22
32
46
68
100
150
220
320
460
680
1,000
1,500
2,200
3,200
  1.98以上
2.88以上
4.14以上
6.12以上
9.00以上
13.5 以上
19.8 以上
28.8 以上
41.4 以上
61.2 以上
90.0 以上
135 以上
198 以上
288 以上
414 以上
612 以上
900 以上
1,350 以上
1,980 以上
2,880 以上
2.42以下
3.52以下
5.06以下
7.48以下
11.0 以下
16.5 以下
24.2 以下
35.2 以下
50.6 以下
74.8 以下
110 以下
165 以下
242 以下
352 以下
506 以下
748 以下
1,100 以下
1,650 以下
2,420 以下
3,520 以下
注(1) 1mm2/s =1 cSt
備考 種々の粘度指数に対する40℃以外の温度における動粘度範囲近似値を参考表1に示す。
 
 

 
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