| ID-339 アルミニウムダイカスト用離型剤 |
|
1.ダイカスト法について 鋳造とは溶解した金属および合金を鋳型に流し込んで種々の形状の製品を作る方法であり、その製品を鋳物と呼んでいます。また鋳造方法は鋳型の種類により異なりますが、ダイカスト法は金型鋳造法に位置づけられます(図1参照)。 ![]() 図1 各種鋳造法とダイカスト法の位置づけ ダイカスト法は複雑な形状の金型に溶湯を高速、高圧で注入する方法で、鋳肌の優れた薄肉部品を高精度で能率良く量産することができるという利点があります。 ダイカスト法は、アルミニウム,亜鉛,マグネシウムなどの非鉄金属に使用されますが、生産量はアルミニウムダイカストが際立って多いのが現状です。なお、ダイカスト法で鋳造された製品としては、自動車、二輪車、家電製品など多くの部品があります。その一例を図2に示します。特に近年では、排ガス規制や燃費向上の目的から、自動車の軽量化に拍車がかかり、各自動車メーカーは保安部品でもアルミニウム合金を使用する傾向があります。 ![]() 図2 ダイカスト法により鋳造された製品の例 ダイカストマシンは加圧室の方式により、ホットチャンバーとコールドチャンバーの2種類に分類されます。そして、ダイカストマシンは型締めや射出の方向あるいは方式の違いによりさまざまな種類があります。 図3に横締横射出のコールドチャンバーの概略を示します。 ![]() 図3 コールドチャンバーマシンの構造 2.アルミニウムダイカスト用離型剤について ダイカスト法には離型剤が使用されます。次頁の図4にダイカストの作業工程を示します。金型に離型剤を塗布した後から鋳造物を取り出し、再度離型剤を塗布するまでを1サイクルといい、1サイクルに要する時間をサイクルタイムといいます。 近年では生産性の向上あるいは製品の高品位化を目標とした場合、離型剤はサイクルタイムの短縮、製品の品質を左右する重要な役割を果たしています。したがって、ダイカスト法において離型剤の選定には十分注意することが必要です。 ![]() 図4 作業工程の概要 離型剤は油性と水性の2つのタイプに大別され、油性および水性にはそれぞれ無機粉体(黒鉛など)を含むタイプと含まないタイプがあります。水性タイプは油性に比べ、離型性は劣りますが、その反面、火災の危険がないこと、および作業環境が良好になるという大きな利点があります。このため、現在では水性タイプが離型剤の主流になっています。 離型剤の役割は、鋳造物の金型への溶着防止性、抜け性を良好にすることであり、離型剤が具備すべき性能としては、 |
| (1) | 金型への付着性 |
| (2) | 潤滑性 |
| (3) | 耐熱性 |
|
に優れていることが挙げられますが、その他にも使用条件により廃水処理性、非堆積性、塗装性なども考慮する必要があります。 |