水−グリコール系作動液は、難燃性作動液に分類される水を含む作動液です。その優れた難燃性から各種製鉄機械、ダイカストマシン、各種加熱炉等の火災の危険があるところに使用されています。その組成は、一般に35〜45%のグリコール、10〜20%のポリエーテル形増粘剤、35〜50%の水を基材にして、これに油性剤、摩耗防止剤、液相防錆剤、気相防錆剤、その他の添加剤を目的に応じて添加してあります。水−グリコール系作動液は使用状態により成分が変化する場合があるので、その性能維持のためには定期的に性状を管理しなければなりません。
チェックポイントとしては次の4点が一般的に重要です。
- 1)水分と粘度
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- 水ーグリコール系作動液は難燃性ですが、これは水分量と関係しています。また、作動液としての性能を維持するためには決められた粘度範囲であることが必要です。しかし、経時で水分が蒸発すると、粘度が増大します。新液に近い状態では水分と粘度の間には相関関係があります。。したがって、粘度の上昇、水分の低下が起きた場合は、蒸留水、イオン交換水による補給が必要です。
- 2)アルカリ価とpH
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- 一般に水ーグリコール系作動液にはアルカリ性の防錆剤が添加されていますが、経時で減少してゆきます。新液の状態では防錆剤の量とアルカリ価、pHには相関がありますので、その値を測定して管理します。アルカリ価、pHが低下した場合には、気化性防錆剤、pH調整剤などの添加で復元させることができます。
- 3)鉱油、グリースの混入
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- 鉱油、グリース類は水ーグリコール系作動液とは相溶性が無く、これらが入ると沈殿物、浮遊物が発生するためフィルターの目詰まり、電磁弁の作動不良の原因となります。定期的に除去することが必要です。
- 4)汚染管理
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- 油圧機器に発生するトラブルの主原因の一つにゴミ、不溶物による粒子汚染物があります。汚染物が多いと、フィルターの目詰まり、電磁弁の作動不良、ポンプ、バルブ類の焼き付き等重大な問題を起こすので、状況を測定し、定期的に除去することが非常に重要です。
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