- 中和価(neutralization number)
- 酸価および塩基価の総称をいいます。
- 全酸価(total acid number)
- 試料1g中に含まれている全酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム(mg)数をいいます。
酸価の測定方法はJIS K2501などで定められています。一般に、試料をトルエン、イソプロピルアルコールおよび少量の水の混合溶剤に溶かし、水酸化カリウム溶液で滴定します。終点の判定には指示薬を用いて行う方法と電位差の変化から行う方法とがあります。指示薬法は淡色の油には適用できますが、使用油や新油でも濃暗色のものには適用できないため、電位差法の方が広く用いられています。
酸価は潤滑油の使用中における酸化の程度を知るためや、あるいは潤滑油の酸化試験および実用試験後の評価などに広く利用されています。
使用油の全酸価変化は劣化を判定する上でもっとも基本的な項目の一つであり、タービン油をはじめとしほとんどの油種について、全酸価による使用油交換基準値が示されています。
- 全塩基価(total base number)
- 試料1g中に含まれている全塩基性成分を中和するのに要する塩酸または過塩素酸と当量の水酸化カリウムの ミリグラム(mg)数をいいます。全アルカリ価ともいいます。
塩基価の測定方法は酸価同様、JIS K2501などで定められています。一般に、試料をトルエン、イソプロピルアルコールおよび少量の水の混合溶剤に溶かし、塩酸または過塩素酸で滴定します。終点の判定には一般には電位差の変化を求めて行われています。塩基性添加剤を含む新油および使用油の全塩基価を精度よく定量するには、過塩素酸滴定法(逆滴定法も含む)が広く用いられています。
天然の石油留分中には塩基性物質はほとんど存在していないので、塩基価は洗浄分散剤の酸中和性、清浄性などを示す尺度としてエンジン油の評価や使用油の管理面にもっぱら使用されています。
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