ID-007 ベースオイルの分類について(一般名称と粘度、精製度等) 潤滑油のベース油は一般的にベースオイルまたは基油と呼ばれ、各種潤滑油の製造に使 用されており、その種類は鉱油系、非鉱油系に分けられます。 ここでは、潤滑油のベース油として中心的に使用されている鉱油系について紹介します。 鉱油系ベース油とは石油の潤滑油留分を精製したものであり、その表示方法は大別すると 以下のとおり組成および粘度の2種類に分けることができます。 1.組成による分類 鉱油系ベース油はその成分によりパラフィン系、ナフテン系に分かれます。一般的には、 ベース油の組成分析に多用されている環分析(n-d-M法)において%CPが50以上をパラフィン系ベース油、%CNが30〜45をナフテン系ベース油と呼んでいます。 また、API(American Petroleum Institute)ではエンジン油のベース油を表1のように分類しています。 表1 APIの鉱油系ベース油のグループ分類
2.粘度による分類 (1)SUS(Saybolt Universal Second)粘度による分類 パラフィン系ベース油はニュートラル油と呼ばれ100°FのSUS粘度で表示されます。 また減圧蒸留残油を溶剤脱歴精製したものはブライトストックと呼ばれ210°FのSUS粘度で表示されます。 表2 SUS粘度に対する概略動粘度
(2)ISO(International Organization of Standardization)粘度グレードによる分類 表3に示すようなISOにより制定されたマシン油、軸受油、タービン油などの工業用潤滑油に用いられている粘度グレードに準じて表示されます。 その他表4に示すSAEの自動車用エンジン油粘度分類による粘度グレードに準じて表示される場合もあります。 表3 工業用潤滑油ISO粘度グレード
表4 自動車用エンジン油のSAE粘度分類
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